大野瀬の名所

  • 大安寺のしだれ桜
    樹齢400年を誇る大安寺のしだれ桜は、毎年4月中頃見事な花を咲かせます。
    この桜を守ろうと、地元の有志は保存会を立ち上げ桜の手入れの余念がありません。

大安寺しだれ桜

  • 梨野の不動滝

大桑川が梨野を通り矢作川へ流れています。その途中、梨野の集落から大桑方面に約400m先の市道下に高さ二十四間(約三十四メートル)といわれる梨野不動滝があります。白布をたらしているようで見事な滝で、大野瀬八景の一つといわれています。

滝の中腹にはお不動様が祀られていて、昭和20年頃までは地元で盛大にお祭りが行われていましたが、次第に荒れたため、滝まで行くには市道脇から道なき道を歩いて、健脚の人でも10分ほどかかっていました。

平成22年地域おこしと、大切な文化や景観を守ろうと滝までの遊歩道や駐車場、休憩所の整備を3年計画で立て、梨野集落の方々が中心となって整備を行っています。

平成27年3月現在、遊歩道の整備は滝まで降りる事ができるようになりました。今後は手すりの設置を進める予定となっております。足許には十分気をつけてお通り下さい。

梨野不動滝

不動滝のいわれ

この滝は雨乞いの滝として知られ、昔から晴天続きで田も干割れる程の時、梨野部落の人々は、この滝に雨乞いに出かけました。

一戸に一人必ず出よとの触れが回り、各自お供物を持って滝の所に行きました。祭壇を設け、御嶽信者の人が先達となって祈願しました。その後にお供えを「どうぞ受け取って下さい。」といって、滝つぼへ投げ入れるのでした。すると一天かき曇り、慈雨が降り出したということです。

  • 子持ち桂

大野瀬の柏洞から押山町の峰山へ通ずる細い小道があります。入口から420mも入った洞の道わきに、密生する桂の木があります。一本から分れたのか、親木を囲んで丸く根元はくっつき合っています。直径40センチ位の木を頭に数十本もあり、樹高 約27.5m、直径4メートル程の円を作って密生している姿は見事です。風流人が選んだ大野瀬八景の一つとしても有名です。

この桂の木の根元には、大和の国(奈良県)吉野山社十二社権現様が祀られていました。これは昔、吉野から来た六部か巡礼が、背負ってきたものといわれています。

子供の授からない人は、夫婦二人ここにお参りして、桂の木に子の授かるように願をかけ、小枝・葉をもらって行って床の下に入れて寝るのだそうです。子どもが授かると、子どもを背負って三人でお礼まいりし、つぼ酒といって、青竹で作ったつぼに酒を入れ、この木にくくりつけてお礼をしたということです。

古橋義眞翁の奥さんも、結婚後なかなか子宝が授からないので、子持ち桂を信仰し、次々と九人の子どもが授かったということです。

子持ち桂

  • 亀の甲岩とその謂われ

亀の甲岩

亀石とミソクダ石

血沢の水が注ぐ所に、底なしの沼という池がありました。

正親町天皇の御代、元亀年間の頃、この池にたいそう仲の良い亀の夫婦が住んでいました。

ある日、夫の亀は奥山へ遊びに出かけました。板沢に沿って池の平にたどりつき、三国山に登り、山の上から眺めた景色の雄大さ美しさに我を忘れて眺めておりました。やがて池の平のほとりにきて、美しい娘亀に合いました。翌日、石亀峠の我が家に帰ってからも、あの美しい娘亀のことが忘れられず、ついに雄亀は娘亀の住む池の平へ妻を置いて行ってしまいました。

妻の亀は悲しさの余り、里の産土神の所に行って、一心にお祈りしました。やがて満願の日、雌亀の枕元に一人の荒武者があらわれ、「お前の心配している夫亀は、池の平の娘亀と仲良く暮らしている。ふらちなやつであるから、お前に代わって二匹の命を預かるから安心せよ。」と申されました。雌亀はあわてて、「ちょっと待ってください、夫の命だけは助けてください。」と頼んだが「神は片手落ちのことはいたさぬ。」と申されて姿を消してしまいました。

やがて産土神の怒りにより池の平の堤は切り崩されてしまいました。水は見る見るうちに減って二匹の亀の姿が現れてきました。二匹の亀のうち、雄亀は我が家の方へ逃げ出しました。神様は雄亀の願いにより、むごい殺し方をせず、そのまま命を絶たせました。それが化石となり、愛知県指定天然記念物の亀石となって、今もなお昔を語り伝えています。

娘亀は産土神にこん棒で頭を打たれたため、脳みそが飛び出して死んだといいます。

これが化石となって、ミソクダ石とよんで、長野県指定天然記念物となって今も存在しています。

石亀峠の底なし池は、道路改修工事のため惜しくも無くなってしまいました。

亀の甲岩看板